2015年8月12日水曜日

浮上式リニアモーターカー

Maker Faire Tokyo 2015に出展させてもらった自作の磁気浮上式リニアモーターカーのおもちゃですが,とりあえず修理は終わったので, 動く様子をアップロードしておこうと思います.


一応横から見た写真も載せておきます. 浮いているのがご覧いただけるかと思います.

制御方法がいまいちなので浮上した車体が振動してしまい(上下と左右と)カタカタいってしまいますが,  初日に破損した加速回路がある場合こんな感じで動きますと言うことがお伝えできれば幸いです.

関係する技術に関する更新ページへのリンクはこちらにまとめていますので,興味がある方はご覧ください

これからもぼちぼち改善をしていこうかなと思います.


2015年8月10日月曜日

外注基板作成 その2

ユニクラフトさんのキャンペーンを利用して,外注基板作成を行いましたのでまとめておきます.
ユニクラフト URL

基板作成をするにあたり,

  1.  基板CADデータ作成
  2. ガーバーデータの出力
  3. ガーバーデータの確認
  4. データの送付と発注

が必要になります.

1. 基板CADデータ作成


まず, CADデータを作成します.
私はEagle Mac版をフリーで使っています. 部品登録に慣れが必要ですが, トラ技ライブラリ(2013年5月号付録)を入れておけばだいたい事足りると思います.
以下ではEagle で作成したデータを使ってユニクラフトへ発注を行うまでの流れを書いておきます.

基板パタンを作成したらデザインルールをチェックします.
デザインルールは
http://unicraft-jp.com/pcb/spec/pcb_spec.shtml
にまとめられているので, 確認しておきましょう.
特にランドと配線が近づきすぎることがあるので注意しましょう.

次回発注する際にDRCデータを作ってみようかなと思います.

2. ガーバーデータの出力


作成した基板パタンからガーバーデータを作成します
外注業者にデータを渡すためにガーバーデータという形式のデータに出力して送付します.
この形式の互換性やら,作成方法がいろいろと分からず悩みました. 特に仕様のページに
"ドリルファイルはエキセロン形式でも可能です。(ただし、ドリルの穴径情報が座標ファイルに埋め込まれている必要があります。)"
と書かれていてFAQにも
"エキセロンでなくRS-274Xであれば問題ありません"
と書かれていたのでガーバーで出すための不毛な努力を試してしまいました.
Eagle Ver. 7で出力されるエキセロン形式のドリルファイルはドリル穴の情報がきちんと埋め込まれているのでエキセロン形式で問題ありません.逆にガーバーで書き出すと,ドリル穴が記号で出力されるため受け付けてもらえません.

というわけで, 結局悩む必要はありません. 

以下に示す方法で実行すればOKです.

2.1 CAM設定の読み込み

[Control Panel]の[CAM Jobs]の中にあるgerb274x.camを読み込みます. 

2.2 Boardデータの読み込み

[File]からガーバーデータを作成したいBoardファイルを開きます.

2.3 CAMデータの修正

CAMデータのタブを修正していきます.

ptn_top.grb:部品面(第1層)銅箔パターン
    レイヤー  1, 17, 18
ptn_btm.grb:半田面銅箔パターン
    レイヤー  16, 17, 18
res_top.grb:部品面レジスト
 レイヤー 29
res_btm.grb:半田面レジスト
 レイヤー 30
slk_top.grb:部品面シルク印刷
 レイヤー 21,25
 slk_btm.grb:半田面シルク印刷
  レイヤー - 省略
outline.grb:プリント基板 外形
 レイヤー 30
を記入していきます.
外形のタブはないので追加します

入力が面倒臭いと言う方のために両面基板用にCAMツールの設定ファイルを作ってみたので, 試してみてください.
この設定ファイルをダウンロードしてControl Panelの[File]-[CAM Job...]を選んでファイルを読み込んでから手順2.2を実行すればOKなはずです.

2.4 実行

[process Job]を選びます
これでガーバーデータが作成されます


2.5 ドリルデータの作成

前置きに書きましたが, ドリル穴のデータはガーバーではなくエキセロン形式で出力します.
ガーバーの場合と同様に[Control Panel]の[CAM Jobs]から[exellon.cam]を選びます.
出力名を[dri.grb]に変更して[process Job]を押せば完了です.

3. ガーバーデータの確認


次にここまで作成したファイルを確認します.
ガーバーデータビューアをお持ちでない方は, フリーのガーバーデータ確認ツールとしてこちらで紹介していますので, 試してみてください.

ファイルの内容を確認して問題がなければZIPで圧縮を行い, 基板発注を行います.

4. データの送付と発注


発注内容はWebページで記入できます.
今回はサイズと総数,枚数以外は特に変更せず,標準で作成を依頼しました.

データを送付してから, 受付のメールがくると現在の進捗を表示するWebページのアドレスを送ってくれます. 
はじめに検図があるのかなと思ったのですが,特になく,データに問題がなければ何の確認もなく作成まで流れていくようです.
今回はキャンペーンで遅くなるとのことわりはありましたが,実際は8日間で物が発送されました. これはとても早いなと思いました.

今回はMakerFair2015に出展した浮上式リニアモーターカーの駆動回路基板を3枚作成しました. せっかくなので両面基板を活用して, CNC作成基板ではジャンパで対応していた配線を部品面で配線してみました.

出来栄えはシルクも綺麗いに印刷されていますし, 基板研削で吹き飛んでしまうようなパタンも綺麗に形成され,レジスト,メッキの精度も十分で品質的にはオーバースペックなくらいです. 多層基板がこれだけ気楽に作成できるというのはとてもいいことだと思います.

機会があれば是非お試しください.

2015年8月4日火曜日

Maker Fair Tokyo 2015に出展しました

8月1日, 2日にMaker Faire Tokyo 2015に浮上式リニアモーターカーを展示しました.
多くの方に見に来ていただきありがとうございました.

配線に手間取り直前までレールを作っていたり,制御の最適化がまだまだで完成度が低く,その上初日に加速回路が壊れるなどいろいろと段取りが悪く反省しております.

それでも優しい皆様にいろいろと声をかけていただけたことをこの場を借りてお礼申し上げます.

まだ,壊れていますが修理して,本来お見せしたかった動作を動画にしてアップしたいと思います.

「来年に期待ですね」と言ってくださった方のためにも,ブラッシュアップして来年またチャンスがもらえるようにしてみたいと思います.今後とも宜しくお願いします.

ここでは, 展示したリニアモーターカーに関連した技術へのリンクをまとめておきます.

8チャンネルADCをArduinoで仕様する方法
 今回の作品では車体の下部に配置したネオジウム磁石の磁場をホールセンサーで検出して車体の場所を特定していました. Arduinoで値を読み取るための方法をまとめています.

CNCでプリント基板作成を作成する方法
 今回の作品ではリニアモーターカーの駆動回路をユニバーサル基板,CNC加工, 外注作成の3種類の方法で作成しました. Fablab 北加賀屋のCNC装置を借りて作成した基板の作成方法をまとめています

ユニクラフトで外注基板を作成 その1,その2
 外注で基板を作成する際に気づいたことをまとめています.

homebrew で ガーバーデータビュアー gerbv をインストール 外注で基板を作成する際に,ガーバーデータのチェックが必要になります.その際に便利なgerbvをインストールする際のメモです

これからも少しづつまとめていきたいと思います.